JACET Study Group for Literature in Language Education (JACET文学教育研究会第13次プロジェクト)

文学教育研究会10月例会のお知らせ

文学教育研究会の皆様

いつも文学教育研究会にご理解、ご協力を賜り有難うございます。早々と後期が始まっている大学もあると聞き及んでおりますが、皆様如何お過ごしでしょうか。

さて、文学研究会10月例会を以下の要領で開催したいと存じます。お忙しい折かとは存じますが、皆様、万障お繰り合わせのうえご出席くださいますようお願い申し上げます。

                              記
              日時:2016年10月22日(土曜日)14時30分〜17時
              場所:同志社大学今出川校地 烏丸キャンパス 志高館、SK102(予定)



ご発表
○児玉 恵太先生(名城大学 非常勤)
<タイトル>
英詩を用いた協同的対話における学習者の言語意識に関する考察
—フォーカス•オンフォームによる言語形式に対する「気付き」効果—
<要旨>
 文学的テクストの使用は目標言語の言語使用(language use)に対する感受性や知識を養うとされている(Collie & Slater, 1987)。特に詩の読解プロセスは学習者が特定の言語形式に「気付き」を生成し言語の持つ重層的な側面を意識する効果があると言われている(Hanauer, 2001)。このような特徴は、学習者がタスクにおいて意味の理解を介して言語使用の特徴に意図的に注意を向け、目標言語における自身の運用との間のギャップに気付くのを助けるフォーカス•オンフォーム(Focus on Form)に適している(Rossiter, 2005)。だが、詩の読解が実際そのように学習者の言語意識(language awareness)を高める効果があるかどうかについて実証的に調べた研究は非常に少ない。これを踏まえた上で、本発表では英詩の特徴を生かしたコミュニカティブな言語活動を通じて言語の使用に対する学習者の言語意識(language awareness)を高める可能性とその方法論について検討する。本論では “Shape of My Heart”(Sting, 1993)を英詩として用いて、そこに見られる文学特有の修辞技法(figurative language)に着目し、中でも隠喩の使用に焦点を当て比喩的な実例の分析を行ないフォーカス•オンフォームの実践に向けて効果的な発問を考える。また、本論では学習者がペアでディスカッションを行い課題に取り組む「協同的対話」(collaborative dialogue)タスクに注目し、分析の結果に基づき英詩の隠喩を用いた実例への「気付き」を促す英詩読解タスクのデザインを試みる。加えて、本論においてはタスクの前後で隠喩への言語意識にどの程度の差異が見られるのかどうかを、他のテクストから別の実例を挙げて調べるために、文学的な隠喩表現を多く含み尚且つ英語の検定教科書などで日本人英語学習者にも馴染み深いMartin Luther King. Jr.のスピーチ原稿 “I have a dream” の抜粋をPre-and Post-Testとして活用する方法について考え、タスクの効果を検証する評価の可能性について検討する。

ご講演
○ 寺西 雅之先生(兵庫県立大学環境人間学部・教授)
<タイトル>
クラスルームで学ぶUK Rock―英語学習から社会・文化研究へのステップに―
<要旨>
本講演では、Rock UK: A Cultural History of Popular Music in Britain (Paul Hullah & Masayuki Teranishi著) を使用した授業に基づき、文学性(literariness)の高いテクストを用いた英語学習における文体論的アプローチの有効性と課題について考察する。Rock UKは、イギリスの社会・文化の歴史をロックのスタイルの変遷を通じて解説し、一般教養の英語授業だけでなく社会・文化を扱う専門教育にも使用可能な教科書である。本書は、時代順に全15ユニットから構成されているが、各ユニットにはその時代の音楽的潮流の解説に加えて代表曲も掲載されており、オーセンティックなイギリスロックの歌詞を用いた文体分析・批評も授業中の演習に適している。本講演では、発表者が授業で実践した歌詞の分析・解釈・ディスカッションを中心に紹介する。さらに、テクスト重視の精読・文体論的アプローチの教育的効果と日本人学習者が異文化の文学(的)作品を読む際に障害となる背景知識・コンテクストの問題についても考えてみたい。

なお、例会のあと懇親会を予定しておりますので、お時間の許す限り、ごゆっくりとご歓談いただければと存じます。


文学教育研究会代表 幸重 美津子
          副代表 時岡 ゆかり
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2016-09-24 : 例会案内 :
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