JACET Study Group for Literature in Language Education (JACET文学教育研究会第13次プロジェクト)

文学教育研究会4月例会


文学教育研究会の皆様

平素は文学教育研究会にご理解、ご協力を賜り有難うございます。

ようやく春らしい日々が続くようになり、桜の開花の知らせも聞かれる日々となりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。

さて、文学研究会4月例会を以下の要領で開催したいと存じます。

お忙しい折かとは存じますが、皆様、万障お繰り合わせのうえご出席くださいますようご案内申し上げます。



日時:2016年4月16日(土曜日)15時00分〜17時00分
場所:同志社大学今出川校地 烏丸キャンパス 志高館、SK102(予定)
http://www.doshisha.ac.jp/information/campus/imadegawa/karasuma.html


ご発表

○松本 真治先生(佛教大学)


<タイトル>

「佛教大学英米学科2016年度新入生を対象とした文学と語学に関する意識調査」


<要旨>
文学教育研究会では何度も同じテーマで発表させていただいて恐縮ですが、今回もどうかおつきあいください。アンケート調査は2007年から開始し、2008年よりほぼ同じ形式のアンケートを使用し、調査は例年春学期の「英米文学入門1H」の第1回目の授業(4月)で実施しています。今回は2016年度の調査結果を報告する予定ですが、今年度の初回の授業が4月13日ということで、どこまで集計できるかはわかりませんが、可能な限り最新の情報を提供したいと思っています。
 これまでの調査では、書物で英語を読むことを前提としてきましたが、インターネットで英語を読むことを独立したアンケート項目に加えようかと考えています。今では必ずしも英語を読むのは本に限られているわけではなく、インターネットも多いであろうと、これは、佛教大学・ハワイ大学学術会議(2016年2月)での口頭発表の際に、ハワイ大学の先生に指摘された点です。
 昨年度のこの例会では、2008年度から2014年度の調査結果の比較をしましたが、英米文学の作家・作品についての認知度の比較はしていないので、今回はその点を補足してみたいと思います。


ご講演

○辻 裕子 先生(同志社女子大学名誉教授)


<タイトル>

ミルトンにおける語学教育と文学


<要旨>

私の研究分野は主として17世紀のミルトン研究である。その立場から、ミルトンの時代の言語教育、さらにさかのぼってミルトンがその伝統を受け継いだ古代ギリシャ・ローマの時代隆盛をきわめた弁論術(レトリック)の教育がどのようなものであったか、それが文学教育とどのように結びついていたかを考察したい。

 古代ギリシャや帝政ローマ時代に説得の技巧として発生した弁論術(レトリック)は、当時の政治体制や、議会、法廷、葬儀などの実生活における必要性と結びついて発展し、技巧のみに専念するようになった。しかし絶対的真理をわきまえ、イデアを追究するプラトンは当時行われていたソフィスト(弁論術の教師)の技巧の阿諛性と欺瞞性は我慢ならないものとして厳しく非難する。それに対してその弟子アリストテレスは現実を直視して絶対的真理はわからない場合があり、蓋然性のなかにレトリックの可能性を追究する。アリストテレスの『弁論術』はその当時のレトリックを集大成し体系化した書物で、それは後々広範囲に影響を及ぼすことになる。また、それが近代学問の源泉ともなる。

 帝政ローマの時代になって、クインティリアーヌスはこの伝統を受け継ぎ、『弁論家の教育』(Institutio Oratorio)のなかでレトリックを用いる人間が良き市民でなければならないと主張、あらゆる知識を用いて人格を陶冶しなければならないという理想を追求する全人教育論を展開する。この書物の第1巻第2巻は教育論である。ルネッサンスの運動でLuis Vives やErasmus等の人文主義者を経て17世紀のミルトンの教育論にそれが反映している。 帝政ローマ時代以来教育において7つの学芸科目(trivium と quadrivium)が最も尊重されたが、ミルトンが受けたSt. Paul’s Schoolの教育では、カリキュラムの中核をなすのは基本3科目(trivium)であった。すなわち、ラテン語の文法、弁論術(レトリック)(修辞学)、論理学に最も力がそそがれた。これは今の言い方をすれば、言語コミュニケーションの理論と言えるであろう。 そしてもう一つの重要な特質は言語教育と結びついた文学教育の強調である。その背後にあるミルトンの考えでは、言語は内容を伝える手段であってより重要なのは内容であるという考えに基づいている。また、文学はあらゆる知識の源泉であり、ミルトンにとってはあらゆる知識は、文学を読むために必要なのである。このような考え方はクインティリアヌスやルネッサンスの人文学者と共通するものである。

以上、古代ギリシャ以来のレトリック観をたどり、クインティリアヌスその影響をうけたミルトンの全人教育の理想に照らしてレトリックと文学教育の結びつきが如何に重要であるかを改めて強調したいと思うのである。

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(連絡事項)
1)会員の皆様から、「研究発表」、「実践報告」等、文学教育に関するご発表を募っています。時岡先生まで、ご希望の時期などお気軽にご連絡ください。

2)なお、第14次プロジェクトの年度末には、原則として例会でご発表になった「文学教育」に
関する実践報告をまとめた紀要を発行する予定です。今回からは、日本語での論文も掲載する予定です。ぜひご検討くださるようお願い致します。
(ご執筆の原稿はA4判10枚以内で、印刷代金は個人負担<約1万円未満>となります。ただし、ご執筆希望の先生が予定数に満たない場合は、休刊致します。)

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文学教育研究会代表 幸重 美津子
副代表 時岡 ゆかり
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2016-03-27 : 未分類 :
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